関東財務局長(金商) 第2654号
一般社団法人日本投資顧問業協会 第012-02597号
2022年に日本市場は再編されます。
今まであったマザーズやジャスダック、そして東証一部、二部がなくなり、
新たに「グロース」「スタンダード」「プライム」の3つに区分されます。
今までは東証一部の基準は時価総額が250億円以上あれば、
上場を維持できるレベルだったのが、
これからは大きく変わり、流動株比率が重視されます。
経営陣は多様化を求められて、
そして企業には価値向上への取り組みが不可欠となっていきます。
しかし今の東証一部上場企業の約3分の1がプライム市場に満たない現状です。
なぜ東証は再編する改革に至ったのでしょうか?
それは国外からマーケットを引き込むためです。
その為には国外から高い支持を得られる魅力的な取引資料を提供する必要があります。
東証一部に上場している企業者数は約2200社あり、
10年前と比べて600社ほど増加しています。
しかしその中の3割は時価総額が250億円以上を下回っていたり、
PBRが1倍を下回っていたりと企業数のみ増えています。
上場廃止基準も低く、時価総額が低いまま、
企業へのプレッシャーがあまりない状態でした。
そして東証一部に上場すれば、全てTOPIXに組み込まれるので、
企業価値が本当は低いのに、改善に向けた努力もしていない企業が多いのではという懸念がありました。
2022年4月に日本市場は3つの市場に再編され、
「グロース」「スタンダード」「プライム」の3つに区分されます。
イメージ的にグロース市場がマザーズ市場、
スタンダード市場が中堅のジャスダック市場や東証二部市場
そしてプライム市場が花形の東証一部市場といった感じです。
スタンダート市場の上場維持基準は、
株主数は400人以上、流通株式数は2000単位以上、
流通株式時価総額は10億円以上となっています。
そして流通株式比率が25%以上となっています。
この流通株式比率の条件に引っかかっている企業が数多くあります。
なので市場に出回っている株の比率を上げる為に、
大株主に株を売ってもらう動きがここ1年で加速しやすいのではと思います。
これはプライム市場でも同じです。
プライム市場という一種のステータスが高ければ高いほど、
資本市場から資金調達がしやすくなるということもあります。
プライム市場の上場維持基準は、
株主数800人以上、流通株式数2万単位以上、
流通株式時価総額は100億円以上となっています。
そして1日の平均売買代金は0.2億円以上、流通株式比率が35%以上と、
非常に流動性を重視した形になっています。
流通株式の定義見直しが先日発表されましたが、
その内容は非常に厳しいものとなっていました。
現在株式を持ち合っている企業が多いです。
例えばトヨタ自動車の様に、
持ち合っていた株式を売却するよう依頼したという流れが出てくるかと思います。
そして流通株式時価総額100億円を達成するためには、
株価向上につながる積極的なIR活動、
そして成長の為の事業運営をしていく必要があります。
なので投資家にとっては、
短期的なマイナスの面が非常に多いと思いますが、
長期的にはガバナンスが改善して企業価値が向上していくので、プラスの面もあります。
しかし今までTOPIXに組み入れられていた銘柄が除外されると、
インデックス型の投資信託やETFの投資対象からも除外されるので、
株価にとっては大きなマイナスインパクトがあり、
市場全体も少し弱くなるかと思います。
また東証一部の上場基準は2200人以上でしたが、
プライム市場では800人以上なので、
今まで個人投資家を増やす為に株主優待を実施していたところが、
株主優待を廃止する様な動きもあるかと思います。
そうなると株価の下落に繋がるので、マイナスインパクトがあるかと思います。
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