関東財務局長(金商) 第2654号
一般社団法人日本投資顧問業協会 第012-02597号
足元、ドル円は1ドル=108円80銭付近で推移しており4月に入りドルが買われています。
米長期金利上昇の影響と言われていますが、私はそうは思えません。
今と同じように米長期金利が上昇していた2月は急速にドル安円高が進行しました。
ドル円の長期月足チャートを見ると、長期トレンドは緩やかなドル安円高方向に傾いています。
円高になると日経平均株価は下落する印象がありますが、月足を見ると必ずしもそうとは言えません。
特に80年代はプラザ合意の影響で対ドルで円は急騰しましたが、日経平均株価はお構いなしに上昇し89年に戦後最高値をつけています。
それ以降では、95年4月にドル円は1ドル=79円75銭の高値を付け、そこから3年後の98年8月に1ドル=147円64銭まで円安が進行。
同期間の日経平均株価を見ると95年4月末の日経平均株価は16806円、98年8月末は14107円と大きく下落しておりここでも為替と株は連動していません。
アベノミクス相場とされる2012年秋から2015年6月あたりまで円安と日経平均株価の上昇が重なりました。
これで円安=株高とイメージしてしまいますが、昨年は円高になったにも関わらず日経平均株価は上昇しました。
為替と株はあまり混同しない方が良いでしょう。
私は足元の円高は、黒田日銀総裁がCNBCのインタビューに「強力な金融緩和を維持する」との見解を示した影響が大きかったのではないかと見ています。
日経記事によると前週末のインタビューだったようですが、円高進行のタイミングと被っています。
日銀の金融緩和も限界が指摘され始めていますが、口先介入で凌いだ格好ですね。
ただ、もし日銀がここで債券購入やETF買い入れを減額した場合は引き締めの憶測から反動が出そうです。
13日にはシンガポールが金融引き締めを発表しましたが、今週末は日銀会合があります。
世界の潮流に反し日銀がいつまで金融緩和を続けるのか、出口戦略はどうするのか?
・・・問題視される時期はそう遠くなさそうです。
暁投資顧問 平下
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