関東財務局長(金商) 第2654号
一般社団法人日本投資顧問業協会 第012-02597号
人民元安 チャイナショックの既視感
8月中旬以降、一段落していた人民元安。
しかし、10月7日に中国人民銀行が預金準備率を引き下げたことで足元再び急落しています。
上掲のドル人民元90ヶ月月足チャートを見ても今年4月以降、急激に下落しているのが良く分かります。
米国が中国に対し制裁関税発動を表明したのが3月ですから、
この人民元安は明らかに米中貿易摩擦の影響と言ってもいいでしょう。
円人民元 月足チャート
対照的に、対円での人民元は対ドルほど下げていません。
ただ、それでも5月以降はジリジリと円高人民元安に振れています。
人民元レートはインバウンド消費にも影響が大きいだけに良く見ておきたいところ。
9月17日中国の李国強首相はダボス会議講演で「人民元の引き下げは中国にとって害が大きい」と語りました。
その後、日経平均株価は急伸。
自民党総裁選の結果も株高に寄与したと思いますが、私はこの李国強発言も上昇要因になったと見ています。
9月初旬まで、中国は米国と関税で勝負しても勝ち目がないため通貨安誘導しているのでは?と見られていました。
しかし、李国強発言で中国は米国との衝突を避けるため折れるのではないかという見方が浮上。
米中貿易戦争の収束期待が9月下旬の株高に繋がった・・・と私は見ています。
しかし、そんな李国強発言後の米中貿易交渉も全く進展なく人民元安は止まらず。
こうなってくると2015年8月、人民元切り下げが切っ掛けとなったチャイナショックが連想されます。
中国が明確に人民元安を止める動きを見せるまでは荒れるかも知れません。
かつて日本はプラザ合意で為替レートを切り上げ、米国の軍門に降りました。
中国が日本と同じ轍を踏むとは思えませんが・・・中国の次の一手に注目です。
暁投資顧問 平下
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