関東財務局長(金商) 第2654号
一般社団法人日本投資顧問業協会 第012-02597号
2月下落時との違い
軽く、2月の下落と今回の下落時の違いを纏めておきたいと思います。
上は米10年債利回りのチャートです。
まず、2月下落時は長期金利上昇ではなくVIX上昇が急落の犯人という声もありました。
米10年債利回りは2月下旬まで上昇を続けた後、4月始めまで下落しました。
しかし、4月以降は再び上昇し5月下旬に2月の水準を上抜ける場面がありました。
その間の日経平均がどう動いたかというと、3月26日から5月21日辺りまでは一貫して上昇。
NYダウは下げる場面もありましたが、日経平均は影響を受けませんでした。
なぜこの期間、日経平均株価がここまで強かったのかというと、円安の影響があったからです。
ドル円 日足チャート
日経平均株価 日足チャート
ドル円と日経平均の動きを比較すると、やはり円安時は日経平均強いですね。
ただ、ドル円は7月に5月の水準を上抜けたにも関わらず、日経は高値を切り下げました。
これが夏場の閉塞感にも影響したと思います。
恐らく3月~5月にかけてのように米長期金利が上昇しても、
米国株の下げが限定的で、為替が円安に振れるようであれば日本株の下げは限られる・・・
と、言いたいところですが現時点では米国株と為替だけで語れない部分があります。
上海総合指数 日足チャート
上は上海総合指数の日足チャート。
昨秋から今年1月下旬まで上昇基調だった中国・上海総合指数は2月以降下落の一途を辿っています。
3月以降、最もキツい下げになったのが6月から7月にかけての下げ。
既述の通り、7月は円安にも関わらず日経平均は5月高値を超えられませんでした。
これは中国株安の影響が少なからずあったと見て良いでしょう。
い足元で上海総合指数は安値を切り下げていますが、
ある程度ここが落ち着かないと多少為替が円安に振れたとしても日本株の上昇も限られると予想します。
逆にチャイナリスク懸念、米株安が一服し、
そこで円安のフォローが吹けば10月高値は超えてくるでしょう。
「米長期金利上昇」や「米中貿易摩擦」などのリスクが取り沙汰されると、
そのリスクのことだけで頭がいっぱいになりがちですが、多面的に状況分析して参ります。
暁投資顧問 平下
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