関東財務局長(金商) 第2654号
一般社団法人日本投資顧問業協会 第012-02597号
週末の米国・欧米の概況はそこまで変化がありませんでしたが
ワクチン接種の加速、それに伴う経済活動の正常化、そして半導体の3つを背景にして、
主力ハイテク株などを中心にS&P500も最高値を更新するなど、好調でした。
日経平均の時間外では29,939円となり、また3万円に近づこうとしています。
ただオプションの話になりますが、日経平均が上がる権利は全くと言っていいほど上がっていません。
全体的に先物の方が高いはずなのに先高感がありません。
いつもならコールオプションが上がってきて、どうしようかとなるところですが全く上がってないです。
反対に下がっていると感じるのがプットオプションです。
これはアメリカ市場でのVIX指数がかなり軟調になっていることが関係しています。
VIX指数は16.69%と年初来安値を更新しています。
VIX指数はS&P500のボラティリティ、及びプットオプションに関連する指数で、
市場の緊張感が高まった時に上がります。
つまりVIX指数が上がり始めていたらやや乱高下したり、急騰するとほとんど暴落しているという状況になります。
この1年間は20ポイントを下値にして、NYダウも上げ下げしていました。
しかし元の水準に戻ってしまったので、ほぼ乱高下することはない、
そしてほぼ大きな暴落をすることもない状況となっています。
それに伴い、日経平均VIも低ボラティリティになっています。
だからプットもコールも下がるということです。
時間が経てば経つほどオプションは減価していきますが、
この低ボラティリティではそれがさらに加速するので、
もちろん株式投資でも良いですがオプションも良いと思います。
今は短期的にゴルディロックス相場なので、オプションの売りが向いていると思います。
今の状態は資金が安全資産からリスク資産へ流入していき、相場を押し上げる。
そして相場はなかなか下がらない状態にあります。
なぜ「セル・イン・メイ」(5月に株を売れ)ではなく、
「セル・イン・ジューン」(6月に株を売れ)なのかを説明します。
例年はアメリカでは4月15日が税金の申告期限で、5月で税還付が終わります。
そして税還付を元手に株に投資して、その影響で株価が一時的に上がりやすくなります。
だから「セル・イン・メイ」と言われる理由の一つです。
しかし、今回はコロナウイルスの影響で申告の期限が1ヶ月ほど延長されています。
2003年にも申告期限が1ヶ月延長されたことがあり、
そのときは還付金が支払われた時期が6月ぐらいになりました。
「50セント」と呼ばれるVIX指数のコールオプションを大量に購入する投資家がいます。
どういうときにVIX指数のコールを買うかというと、VIX指数がレンジの下限に行っている時です。
VIX指数が軟調な時に、あえて逆張りをします。
アメリカではVIX指数が上がる権利下がる権利も全部オプションで取引できます。
VIX指数が何月までに30ポイント、40ポイントまで上がるという権利がだいだい50セントになります。
VIX指数が安い時に大量に仕込み、だいだい当ててきています。
なぜならVIX指数が上がるという事は相場が大暴落するということです。
コロナショックの3ヵ月前に1枚50セントで13万枚購入して、コロナショックが起きて170億円の利益をだしました。
まさにコロナショックを分かっていたような存在です。
また2017年のゴルディロックス相場の時に、1年間かけてVIX指数のコールオプションを大量に買っていました。
そして2018年のVIXショックで217億円の利益を出した逸話も持っています。
VIX指数のチャートです。
赤い丸で囲っている部分が投資家「50セント」が買っているところです。
よく千竃が動画で言っている、「VIXはレンジ下限で買いましょう」というのはこの事です。
つまり今はゴルディロックス相場とはいえ、短期的には大暴落が起きやすいという状況なのです。
そして投資家「50セント」は7月限のオプションを購入しています。
基本的にはグロース株、半導体株中心に考えてみても良いと思います。
そして注目しているのが「カーボンニュートラル」です。
日本は2050年までにカーボンニュートラルの実現を表明しています。
その中で日本が力を入れているのは、洋上風力発電や蓄電池、水素、アンモニアです。
そしてアンモニアや水素は去年ぐらいまでは株価が上がっていましたが、今はそこまで上がっていません。
アンモニアや水素関連銘柄辺りが物色されたら面白いと思っています。
銘柄でいえば3933 チエルを注目しています。
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