暁投資顧問

おかげさまで10周年

ヘリコプターマネー

今月に入って、ヘリコプターマネーや永久債という単語を目にすることが増えました。
三菱UFJモルガンスタンレーの藤戸氏は直近のレポートを「ヘリコプターマネーは新・アベノミクス相場を形成するか?」と期待を煽るコメントで締めくくっていました。
疑問符で締めくくっているところを見ると、見識ある藤戸氏もヘリコプターマネーなる金融政策がどういう効果を生むのか予測は付かないようです。
今はネットで色んな情報が飛び交う時代で情報は混在していますが、相場に関しては下手に専門家のコメントは鵜呑みに出来ません。
投資顧問が身も蓋もないことを言うなと言われそうですが、チャールズ・エリスが書いた『敗者のゲーム』で書かれたように大半のファンドやプロの投資家は市場平均を超えるリターンを出せないというのが現実です。
それは往々にして大衆の予想は当たらないという証左でもあります。
幾らヘリコプターマネーの効能や副作用を理路整然と語っても、いざそれが発動された場合に市場がどう動くのかというのは読めません。
ただ、月並みなコメントになってしまいますが何事にも限界があります。無尽蔵にバラマキは出来ません。
90年代バブル以降、日本は何度も財政出動をやってきました。
2013年以降金融緩和にも踏み切りました。それらは短期的な景気浮揚をもたらしました。
ただ、今の状況を見ても分かるように日本経済において何も本質的な変化はもたらしませんでした。
バラマキをやれどもやれども少子高齢化は変わらず、GDPは停滞を続けています。
藤戸氏の「ヘリコプターマネーは新・アベノミクス相場を形成するか?」というコメントはある意味正鵠を射たコメントです。
ヘリコプターマネー発動で、短期的な相場を形成する可能性はあります。
ただ私はヘリコプターマネーが日本の本質的な構造に変化はもたらす可能性はゼロだと思います。
それは念頭において、今後の相場に臨みたいと思います。

 

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