平下先生が語る2021年後半相場の見通し

2021年前半について


図は2019年~2021年7月中旬までの日経平均株価日足のチャートです。

今年の2月につけた年初来高値30714円以降は

日経平均株価は上値切り下げ、下値切り下げの動きが続いています。

時折、急落する場面もありましたが、すぐに値を戻す展開が続いています。

 

 

 

2021年後半の上昇要因と下落要因

2021年後半の相場観を考える上での上昇要因と下落要因をまとめてみました。

 

まず上昇要因は以下の様に考えられます。

・新型コロナワクチン普及によるパンデミック収束

・パンデミック収束による実体経済正常化とリベンジ消費

・パンデミック再発による金融相場の長期化

・空前の待機資金

・新たな財政政策や追加経済対策

一度は収束に向かっていたパンデミック収束が再発して、

金融緩和の長期化や追加の経済対策をまたすることになったら、

金融相場がまた上がるという展開も考えられます。

そして今は、トレンドが出たものをとりあえず買っていくという

モメンタムトレードが流行っています。

極端に考えると、ここ数ヶ月のS&P500の上昇はそれが影響している様に思えます。

 

 

そして下落要因を考えると以下の様になります。

・商品相場上昇によるスタグフレーション

・金融引き締めによる金融相場の終わり

・過大な政府支出の反動(増税、補償制度打ち切り等)

・需要と供給のギャップ(モノ・労働力)

・先進国・新興国と中国の対立

・株価が大幅下落しない限りは日銀のETF買いがない

商品相場が上昇傾向にありますが、

これは景気が良いから商品相場が上昇している側面もありますが、

供給に制約がかかっているので、その影響で上昇している様に思います。

そしてそこに投機資金がかなり流れ込んでいます。

商品相場の上昇ほど給料が上がっていない状況なので、

スタグフレーションになる可能性が高くなってきたと思います。

またこのまま金融緩和を続けるとインフレがどんどん加速していくので、

何らかの先手を打つ必要があるかと思います。

 

今の相場の動きを見る限り、

市場は金融引き締めについて織り込んでいないので、

少し反動が出てくるかなと思います。

すぐには増税や補償制度の打ち切りはないと思いますが

これだけお金をばら撒いているので、

それなりの影響が出てくるかと思います。

これまでの様にお金をバンバンばら撒いて、

補償をしていくようなことは難しいかと思います。

 

そして今、半導体不足が話題になっていますが、

生産を増やそうを試みても、

思った通りに生産が出来ない状況となっています。

頼みの綱としては台湾TSMCは好決算を迎え、

半導体の生産も増えているので、

この調子で供給不足が解消されていけば、

需要と供給のギャップも解消されていくように思います。

 

米中の対立や新興国と中国の対立も激化しています。

平下としては過激な方に行ってほしくありませんし、

どんどん中国を圧力で固めて行ってしまうのは怖い状態だと思います。

中国に対してまた制約がかかるようだと、

米中摩擦が再びクローズアップされるかもしれません。

 

日本固有の問題だと、日銀のETF買いがそうそう見込めないことです。

もう日銀は株価が大きく下がらない限りはETF買いをしません。

これを事実上のテーパリングとして受け止める人も多いかと思います。

 

 

 

新型コロナウイルス感染者推移について

新型コロナウイルス感染者推移については

イギリスの動きを見ていきたいと思います。

イギリスは先日、経済をコロナショック以前に戻すことを目的に、

新型コロナウイルスに関するほぼ全ての規制を撤廃しました。

なので感染者数が増えても制約をかけなかった場合は

どうなるのかということが見れると思います。

日本は欧米と比べて感染者数が少ないので、

そこまで神経質になることもないと思います。

 

 

 

2021年後半の相場観

2021年後半の相場展開ですが、

足元の状況を考慮すると不確実性は高いと思います。

デルタ株による感染者数が増加しており、

コロナウイルスに関する規制も中々解除されそうにありません。

状況は二転三転しそうです。

 

また商品相場の上昇、住宅価格上昇、労働力不足から賃金の上昇が続いています。

昨春から延々と金融相場と業績相場の良いとこどりした相場展開が続いていました。

パンデミックやロックダウンになれば金融政策・財政政策で株価が上がる、

パンデミックが収束すれば企業業績が上向くので株価が上がる、といった具合でした。

再度コロナウイルスによる不況の兆しが出てきた場合、

金融政策・財政政策による株高シナリオもあり得ます。

金融政策・財政政策が機能する限りは米国株高が株式相場を牽引すると思います。

そう考えると、コロナウイルスによる不況・パンデミックは

株安要因になり得ないと見ておくべきかと思います。

 

株安要因になり得るのは過剰な金融政策・財政政策の長期化による副作用です。

そこにはインフレや供給逼迫も含まれます。

そういった副作用以外で株安になるとすれば、中央銀行の引き締めになります。

金融政策と財政政策のみで延々と株高が続くとも思えませんので、いずれは反動が出ると思います。

 

 

 

2021年後半の投資戦略

日本では2010年12月から日銀によるETF購入で株価を底上げしてきました。

2014年11月からは如実に買い入れ額が増加しており、

2014年11月から日経平均型ETF購入停止を発表した2021年3月までの

ETF買い入れ額は、実に32兆円7625億円となります。

こういった買い支えが期待できない以上、

ファンダメンタルが上向かない限り上値は重たいと思います。

 

米国では金融相場下でGAFAMが全体相場を牽引する展開が続いています。

その米国株が急落しない限りは日本株の下値も限られそうですが、

米国と比べて上値を重いと予想しています。

 

昨春以降の株価動向を見ると、

急落後は比較的早期に調整分を挽回する展開が続いています。

したがって、全体相場を意識した売買は、

致命的な材料で株価が崩れた場合を除いて、

株価が急落した場合は押し目買いで対応するのが良いかと思います。

また反発後は上値抵抗帯付近で戻り売りをするのが基本的な投資戦略になるかと思います。

 

一方で日経平均株価が上値切り下げ、

下値切り下げの下落トレンドを形成しているのが気になります。

これは商品相場急騰による資源・エネルギー株や商社株の上昇、

金利上昇を受けた銀行株の上昇の影響が大きいです。

商品相場急落、あるいは金利低下が続くようであれば

反動が大きくなると見ておいたが方がいいかと思います。

個別銘柄で考えると、全体相場お構いなしに上昇を続ける好業績株も少なくありません。

個別株を買うのであれば、

DX・ソフトウエア関連等の人気テーマ銘柄や好業績銘柄を狙いたいところです。

ただ今年だけで2倍、3倍になっているような手垢のついた銘柄は急落時に限定して買う、

あるいはトレンドが崩れたと判断した時点で脱兎の如く逃げる等の工夫が必要です。

 

 

 

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