関東財務局長(金商) 第2654号
一般社団法人日本投資顧問業協会 第012-02597号
世界各国でカーボンニュートラルについての取り組みが活発になっています。
カーボンニュートラルとは脱炭素のことで、
温室効果ガス排出をゼロにするという取り組みで、
今非常に注目が集まっています。
経済産業省の資料によると、2050年度までに224の国と地域が
カーボンニュートラルを実現しようとしています。
菅首相も所信表明演説で2050年までにカーボンニュートラル、脱炭素の実現を目指すと
国際的にも宣言したことをきっかけに、
ビジネスや株式取引においても大きな影響を及ぼすと考えられます。
欧州はカーボンニュートラルの取り組みの最前線です。
その中でもイギリスは2019年6月に気候変動法の改正に伴い、
世界に先駆けてカーボンニュートラルを法制化しました。
またカーボンニュートラルの実現に向けて、
2030年までに日本円で1.7兆円を支出する計画を立案しています。
アメリカでもバイデン政権がグリーンニューディール政策を進めています。
そしてアジアでもカーボンニュートラルの取り組みが進んでいます。
中国では2060年度までにカーボンニュートラルの実現を目指すと宣言しています。
そして、今後40年間の間にカーボンニュートラル関連で
1000兆円に近い投資を生み出すとも宣言しています。
その中でもとりわけ太陽光発電への投資が333兆円を占めると予測されています。
このようにして世界各国でカーボンニュートラルを実現しようとする取り組みが行われています。
日本ではカーボンニュートラル関連は4つのポイントがあります。
それが「LNG」「水素」「アンモニア」「風力発電」です。
まずはLNG(液化天然ガス)です。
LNG貿易は今非常に成長を遂げている市場で、
2020年から2040年の間に倍増すると言われています。
また日本でも最近カーボンニュートラルLNGという枠組みを表明して、
採掘から燃焼をイーブンにするというCNLという仕組みを進めています。
関連銘柄では6366 千代田化工建設は世界規模のLNG企業でLNGプラントを大量に保有しています。
8031 三井物産もLNGに関して非常に強い引き合いを持っている企業です。
次は水素についてです。
新エネルギーの本命と言われている水素ですが、昨年は非常に上昇しました。
水素に関しては、日本は世界で一番高い技術力を誇っていると思います。
なぜなら水素を反応させて電気を作り出す燃料電池の分野では、
特許の出願件数が世界で一番だからです。
関連銘柄では8088 岩谷産業です。
日本の水素シェアは7割を占め、関東エリアにも液体水素の供給拠点を3割程拡大する計画を固めています。
9513 J-POWER(電源開発)は水素を蓄エネルギーとして活用できる大規模な水素供給体制を作ろうとしています。
5020 ENEOSホールディングスは水素事業に関してはまだまだ発展途上ですが、水素の供給施設の展開を進めています。
そしてアンモニアについてです。
アンモニアはまだ非常に研究段階で、実際に活用することはあまりないのが現状です。
ただエネルギー源の脱炭素化に向けては非常に活用できる可能性を秘めています。
またアンモニアから水素を取り出すことで燃料電池材料にも利用できます。
アンモニア技術も水素技術と同じく、日本は世界最高水準だと思います。
1964 中外炉工業は技術レベルの分野でアンモニアにかなり取り組んでいます。
また9504 中国電力もアンモニア発電に積極的に取り組んでいます。
そしてアンモニア生産で有名な4208 宇部興産や4043 トクヤマも注目していいと思います。
最後に風力発電についてです。
欧州では非常にメジャーな発電となっています。
6471 日本精工は風力発電向けの部品を多く生産しています。
そしてその日本精工に部品供給を行うのが世界トップシェアの6268 ナブテスコです。
あとは風車を建設する1803 清水建設や1860 戸田建設、1893 五洋建設などがあります。
建設会社は一部恩恵があるような気がします。
8015 豊田通商は洋上風力発電ではトップクラスだと思います。
先程紹介した4つのエネルギーには採算が合わないという問題点があります。
このまま再生エネルギーにばかり傾斜しすぎると国内産業が疲れてしまいます。
あまりにも再生エネルギーに特化しすぎるのは良くないです。
実際、国際原子力機関が2050年までに小型原発を全世界で増やす動きがあります。
そしてその市場規模は再生エネルギー並みの40兆円ほどあります。
現実的に考えると小型原発が必要なのではと思います。
またベースロード電源である小型原発は脱炭素の切り札になるという意見もあります。
再生エネルギーも大切ですが、天候などに左右されない補うべきベースロード電源というのも片一方では必要かと思います。
1963 日揮HDはアメリカの小型原発建設に参加している企業で注目しています。
世界全体で再生エネルギーの波は来ていますが、
一方で小型原発にも舵を切っている事実も外せないと思います。
気候変動は年々激しくなってきています。
企業レベルでカーボンニュートラルを達成する動きは
環境目線でも投資家目線でも非常に良いと思います。
特に直近ではESG投資の考え方が主流になっています。
カーボンニュートラルへの挑戦は経済と環境を上手く両立させた新しい考え方を
想像することにも繋がると思います。
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