関東財務局長(金商) 第2654号
一般社団法人日本投資顧問業協会 第012-02597号
オプションを始めたばかりの方だと、
どうしても「プットオプションはとにかく暴落に強い」といったイメージがあります。
しかしそれは時と場合によるものなので注意が必要です。
図は1月20日午前11時時点の日経平均27,594円の水準での
26,000円のオプションのプット買い1枚の損益シュミレーターです。
もしここから日経平均が500円近く上昇して28,000円になると、
期中の損益額は-69,000円、SQの損益額は-195,000円となります。
よってこの26000円プット買い1枚の最大損失額は195,000円となり、
このオプションの買いは損失限定であることが分かります。
反対に日経平均が500円程下落して27,000円近くになると、
期中の損益額(含み益)は138,000円、SQの損益額は-195,000円となります。
なぜなら26,000円のプット買いということは、
日経平均が26,000円まで下がる権利を買ったということなので、
最終的に26,000円を大きく割り込まないと利益にはなりません。
ただ途中の含み益ベースでは利益が増えます。
なので「とにかくプットオプションの買いを持っていればヘッジができる」というのは、
ある意味正解ですが、ある意味間違ってもいます。
プットオプションの買いは権利行使価格によって大きく変わりますし、損失は結構大きな額になったりします。
やはり損失で投資のセンチメントや投資のマインドモチベーションが低下してしまいます。
暴落に強いはずなのにヘッジばかりして損失になってしまうところが、
日経225オプションのハードルの1つだと思います。
初心者でも分かりやすい取引の一つであるデビットスプレッドについて紹介します。
デビットスプレッドとは同種のオプションの買いと売りを1枚ずつ組み合わせる取引です。
こうすることによって利益と損失を限定させることが出来ます。
図は27,250円のプット売り1枚と28,000円のプット買い1枚の損益チャートです。
SQは28,000円は割り込むだろうけど、
8月の安値水準である27,250円までは割り込まないだろうというのを形にしたトレードです。
デビットスプレッドでポジションを組んだことによって、
日経平均が28,000円まで上昇しても含み益は発生しており、
反対に相場が下落しても含み益が発生します。
ただ利益のピークは日経平均27,250円を割り込んだ段階での600,000円が最大となります。
損失コントロールがしやすく損失も限定的になるが、利益は限定的になるのがデビットスプレッドの特徴です。
またオプションのプット買い単体よりも成功体験と知識が生まれやすいのもポイントの1つです。
次にプット・バック・スプレッドについて紹介します。
この取引は少々上級者向けの取引であり、
大きな下落局面(暴落時)での短期取引に向いている取引です。
図は27,750円のプット売り1枚と26,000円のプット買い4枚の損益チャートです。
ここで「27,750円」のプット売りを1枚入れたのは、
26,000円のプット買い4枚に必要なコストをカバーする役割もあります。
この取引の場合日経平均が28,000円を大きく超えたとしても、
プットオプションの売りがある為、損失は約70,000円となります。
反対に下落した場合は含み益が膨らんでいきます。
但し含み益が増えるのであって、SQまで持っておくとマイナスになってしまいます。
その為長期的に狙うものではなく、瞬間的な暴落を狙う取引なので注意が必要です。
そしてビックスプレッドについて紹介します。
ビックスプレッドとはプットの売り2枚とプットの買い1枚を組み合わせた取引で、
範囲を当てるトレードです。
図は27,000円のプット売り2枚と28,000円のプット買い1枚の損益チャートです。
この取引の場合だと、もし日経平均29,000円になっても含み益は20,000円あり、
SQまで持っていたとしても損失はなんと5000円となります。
この取引は日経平均が大きく上昇した場合に、一番損失が出ないトレードとなっています。
またこの取引は期中の含み益ではなくSQ時での利益で考えます。
そう考えると利益がでるのは28,000円を割れをスタートにして、
27,000円辺りがピークになります。
そして26,000円を割り込み始めると損失になっています。
なので普通の下落であれば対応できますが、
大きな暴落には太刀打ちができないトレードなので注意が必要です。
バタフライスプレッドは損失を一定の範囲に限定できる取引で、
同一商品、同一限月で権利行使価格が異なる
3つのオプションの売りと買いを組み合わせた取引です。
図は先程のビックスプレッドの取引に26,000円のプット買い1枚を追加した損益チャートです。
これにより損失は限定的になり、含み益も出る様になります。
オプションには様々な取引手法があり、暴落時でも使える取引手法がたくさんあります。
オプション初心者は損益シミュレーターを見ることで、
将来の日経平均の予測をシミュレーションしておき手を打っていくのが良いと思います
暴落を積極的に狙いにいくよりは、資産ヘッジだったり損益が安定する手法を選ぶのもいいかと思います。
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