関東財務局長(金商) 第2654号
一般社団法人日本投資顧問業協会 第012-02597号
世界が抱える問題には食糧不足や電力不足に水不足など様々な問題があります。
今回はその中でも「水不足」について触れていきたいと思います。
2003年欧州では記録的な熱波と水不足によって、
約72,000人もの死者が出てしまいました。
それが近年また起こるのではないかと危惧されています。
水不足が起こる背景としては大まかに3つあります。
それが「人口の増加」・「気候変動」・「水紛争」です。
2050年には世界の総人口は97億人になると言われており、
そうなると水の使用量が跳ね上がることになります。
人口の増加の上昇率よりも水の使用量が約6倍ぐらいあるといわれており、
人口が増加することによって水の需要が年々高まることが分かっており、
深刻な水不足に見舞われる国が沢山出てくることが懸念されています。
また日本は国土が隣国と接していない為、水の紛争にあまり馴染みがありませんが、
世界で見ると様々な要因によって水紛争が起きています。
例えば水資源配分の問題や水質汚濁の問題だったり、
水の所有権の問題だったり、水資源開発と配分の問題などで争いが起きています。
地球上で利用しやすい淡水の量は限られています。
今後水の需要が拡大する一方で、
地球温暖化で水資源の供給に悪影響が主に懸念される地域は、
中東・北アフリカ・インド・中央アジア・中国北部といわれています。
そして世界34か国の水関連インフラの投資は、
2025年までに年間1兆ドルを超えると予想されています。
水関連ビジネスには大きく分けて4つのカテゴリーがあります。
1つ目が生活用水並びに工業用水で、
水道事業の民営化など主にヨーロッパの存在が大きいです。
2つ目が農業用水で、これが水利用の約7割を占めるので、
このカテゴリーは米国の企業が強みをもつのではないかと思います。
3つ目が海水を淡水化する事業で、これは中東を中心に拡大しつつあります。
4つ目が水のリサイクルで、MBR(膜分離活性汚泥法)という技術によって
今後の市場規模の拡大が見込まれています。
つまりは水質汚染を改善するというビジネスでもあり、中国が主な市場になると見られています。
海水を淡水化する事業と水のリサイクルは、新たな水源から淡水を生み出す技術なので、
上手くいけば世界で問題となっている水不足の解決の糸口になる可能性があります。
そしてこれらの技術は日本企業でも強みを持っている企業があり、更に活躍できると思います。
そういうことで水関連企業をいくつか紹介していきたいと思います。
まずは6368 オルガノで、こちらは工業用水・再利用水といった事業を展開しており、
市場全体に占めるシェアは小さいけれども成長性が見込まれています。
地下水や水道水、工業水を超純水に変えることによって、
半導体デバイスの洗浄や火力発電所や原子力発電所に使用されています。
次に6370 栗田工業で国内の産業用水処理分野の最大手です。
18期連続増配を発表しており、ファンダメンタルズ的にも非常に良い企業となっています。
また6254 野村マイクロ・サイエンスも超純水装置の大手で有名です。
6363 酉島製作所は海水淡水化プラントで使われているポンプの世界トップシェアで、
世界の大規模な海水淡水化プラントのほぼ全てを担っているともいえます。
大企業では3402 東レが水処理環境事業で世界トップクラスの地位を確立しています。
また時価総額が低めの銘柄では6303 ササクラが海水淡水化装置の大手で、
船舶用の造水装置や排水処理装置をつくっています。
株価は低迷していますが、いつかこの水関連でヒートアップしたときに、
株価が跳ね上がる可能性は秘めていると思います。
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