関東財務局長(金商) 第2654号
一般社団法人日本投資顧問業協会 第012-02597号
裁定取引とはざっくりと言うとアービトラージのことで、
裁定買いは先物を売って現物株を買うことで、その残高が裁定買い残となります。
裁定売りは先物を買って現物株を売ることで、その残高が裁定売り残となります。
そしてこの裁定買い残が大量に残っている場合、
先物の決済日に向かって裁定解消する必要があります。
その為、先物決済日、SQなどに現物株の売りが大量に発生する可能性があるので、
相場の未来の下げ要因として見られることがあります。
そしてこの裁定買い残の変化は、
主に外国人投資家が日本株市場の7割のシェアを握っているので、
日経平均先物の乱暴且つ投機的な売買動向を示してます。
また裁定売り残は簡潔に言うと将来の買い圧力なので、
裁定売り残が期日に大量に残っていると、
裁定解消の為の仮需である現物株の買い戻しが起こるので相場が上昇する要因となります。
裁定買い残はJPXのHPから毎週更新されたデータを見ることが出来ます。
裁定買い残が増えると、簡潔に言えば日経平均株価が上がります。
これは海外投資家が先物買いを入れるからです。
そして裁定買い残が増える過程では、
オプション市場のコールオプションが急騰しやすい傾向にあります。
5月20日の時点では7000億円程度しか裁定買い残はありませんでした。
そしてそこから日経平均株価は上昇していきました。
裁定買い残が少なければ少ないほど先物を入れる余力あるいは余裕が出るので、
結局約5000億円程の裁定買い残が積みあがって、
日経平均株価は約3000円の上昇となりました。
その後6月に裁定解消売りが入って先物がガクっと下がり、投機的なフローがありました。
7月初旬には裁定買い残は約6000億円程度となりました。
そこからまた5000億円程度積みあがっていき、日経平均株価は約3000円の上昇となりました。
なので裁定買い残が少ないからこそ日経平均株価はそこまで下落しないと考えることができます。
けれど裁定買い残が1兆円を超えていくと、それだけ将来の裁定解消をする必要が出て、
現物株を売らないといけない圧力が出ることを考える必要があります。
そして裁定買い残が減ると基本的には先物が下がり、日経平均株価が下がります。
そこで注目したい銘柄が9983 ファーストリテイリングです。
この銘柄は日経平均株価との連動性が非常に強く、寄与度が高いこともあり、
裁定買い残が減り始めるとまずこの銘柄も下がり始めます。
なのでこの銘柄の動向やヒストリカルデータを見ると、
裁定買い残が減る初動だったり、経過などが見えてきます。
ここ最近の裁定買い残は1.4兆円ぐらいまで拡大すると裁定解消売りが入りやすいです。
特にポストコロナ禍においては1.4兆円以上の買い残が増えることはあまりないので、
裁定買い残が1.4兆円まで増えるのを確認してから、
ダブルインバースを購入したり、日経平均レバレッジETFを空売りしたりなどするのも良いかと思います。
そして裁定売り残が増える過程においては投機筋が大量に株を売っている状況で、
裁定売り残がピークに達すると市場は上昇しやすくなります。
ここ最近では裁定売り残が2兆円以上になると相場が底になる傾向があります。
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