投資・トレードにおける心構えとは?

投資・トレード 欲望と恐怖が齎す認知の歪み

 

 

平成30年7月2日(月)タートル流投資の魔術

 

 

山のように出ている投資本。

 

身も蓋もないことを言うと、私は投資本を読んで勝てるようになるとは思っていません。

 

柔道の教則本を読んで柔道で勝てるようになるかというと、無理です。それと同じです。

 

勝てるようになるには、実践、検証、考察を繰り返し自分なりの手法や哲学を見に付けていくしかありません。

 

必勝法を求めて本を買われる方も多いと思いますが、そんなものはありません。

 

バックテストをして、いま勝率の高いテクニカル指標をはじき出すことは出来ます。

 

でも、それがこの先も通用するかどうかは分かりませんし皆がそれを意識し始めると通用しなくなります。

 

それは「世紀の空売り」の主人公、マイケル・バーリも言下に断じていました。

 

ただ、投資本から投資に対する考え方や心構え、利益に繋がるヒントを学ぶことは出来ます。

 

私はそれを求めて今でも投資・トレードに関する書籍を月に数冊読んでいます。

 

きょうは10年ほど前に読んで、とても為になった「タートル流 投資の魔術」から

 

投資家・トレーダーの売買に影響を与える8つの「認知の歪み」を紹介します。

 

 

1. 損失回避

 

人間は利益を得るよりもまず損失を回避する傾向があります。

 

研究では損失を出したときの心理的影響は儲けが出たときの2倍になります。

 

これが損失確定、つまり損切りの先延ばしに繋がるわけですね。

 

 

 

2.埋没費用効果

 

人間は既に支払った費用に意志決定を左右される傾向があります。

 

例としては、売買手数料10万円を払って株式の売買が成立したとします。

 

そうすると、株価がどう動くかよりも支払った売買手数料10万円を無駄にしないためにどうするか?

 

そんな観点から決断を下してしまう傾向があるということです。

 

これは1.損失回避とも共通する部分がありますね。

 

 

 

3.処理効果

 

処理効果は利益は早く確定し、損失の確定は先延ばしする傾向のことです。

 

利益の減少も一種の損失ですから、利が乗れば早く利益確定したくなります。

 

それが損失になってしまうと、確定させることを先延ばししてしまう訳ですね。

 

 

 

4.結果偏向

 

これは8つのなかでもかなり重要なポイントです。

 

人間は決断の良し悪しを判定する際、どの時点でどんな決断を下したかではなく、

 

それによる結果から決断の良し悪しを判断する傾向があります。

 

所謂、結果良ければ全て良しという結果論ですね。

 

世の中は合理的で正しい決断を下しても上手く行かないことはしょっちゅうあります。

 

トレードで言うなら、自分が定めたロスカットラインを割って大きく含み損が膨らんでいる銘柄を放置、

 

結果、好材料が出て大きく上昇して買値を上回る水準まで戻って来た・・・

 

これで利益が出たから含み損の放置は正解だ・・・これこそ結果偏向です。

 

まぁ、勝負がその1度きりなら結果偏向も良いでしょう。

 

でも、何回も繰り返し勝負をしていく場合、結果偏向は破産に繋がります。

 

 

 

5.直近偏向

 

これは読んで字の如しですね。

 

人間は直近のデータや直近の傾向を重視しがちということです。

 

直近、連勝しているから使える投資法だとは限りません。

 

逆に、直近連敗しているから使えない投資法だとも限りません。

 

数ヶ月不調が続いたら、もうだめだと検証考察をやめてしまう、愚の骨頂です。

 

 

 

6.アンカリング(係留)

 

アンカリングとは簡単に手に入る情報に頼ったり、縛られたりする傾向です。

 

例えば、2週間ほど前まで株価1000円だった銘柄があったとします。

 

それが今400円まで下落していた場合、過去の株価と比較して単純に安いと判断してしまうことです。

 

それが本当に安いか高いかは、過去の価格からは判断出来ません。

 

 

 

7.バンドワゴン効果

 

これは「赤信号皆で渡れば怖くない」というものです。

 

大勢が支持しているかどうかで、自分が支持するかどうかも判断してしまうことです。

 

皆が持っているから私も欲しい、多くの株式評論家が買いと言っているから買い、、そんな傾向です。

 

まぁ、自分は買いだと思っていても他の大勢が売りだと言えば不安になってしまうのは分かります。

 

でも、付和雷同で勝てるなら投資・トレードで負ける人はいないんです。

 

皆と同じ事やってればいいなんて安易そのもの。

 

 

 

8. 少数の法則

 

これは余りに少ないサンプルを元に母集団を推定することです。

 

大数の法則はご存知でしょうか?

 

勝率6割のゲームでゲーム開始から5連敗することはままあります。

 

ただ、それが100回、1000回と繰り返すと最終的には勝率6割に収斂していきます。

 

少数の法則はその逆でゲーム開始から5連敗したから勝率は非常に低いと判断してしまうこと。

 

世論調査にしても、近所の30人にアンケートを取っただけでは傾向に偏りが生じます。

 

 

 

 

・・・如何でしょうか?

 

以上が8つの認知の歪みとなります。

 

自分の行動がこの8つの認知の歪みのどれかに抵触していないか、

 

投資・トレードを行う際は常にチェックしておきたいですね。

 

暁投資顧問 平下

 

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